
HAKU 北村 コラム 79「爽の話」
普段は靴職人、北村です。
いやー夏ですねー!
6月の時点ですでに30℃超えてますから、今年は!
こんだけ暑いとさあ!
食べたくなりますよねえ!!!
何をって?
ロッテの激うまアイス、
『爽』に決まってるでしょうがああああ!!!!
ロッテ『爽』商品ページ
https://www.lotte.co.jp/products/brand/soh/
説明しよう!
『爽』とは、アイスの中にめちゃくちゃ細かい氷を入れることにより、シャリッとした食感とふわっとした口溶け、さっぱりとした後味が楽しめるという他に類を見ない革新的アイスである!
1999年の発売以来、四半世紀を越えて愛され続けているロングセラー商品なのだ!
僕ぁねえ!
この『爽』 が大好きなんですよおおお!!!
うますぎるだろうがあああああ!!!!!
特に夏に食べるとよおおおおおお!!!!!
……ええ、確かにね。爽の持ち味と言える「微細氷」。これのおかげで夏の美味しさにブーストが掛かっているのは疑いようのない事実。
しかし裏を返せば冬に食べるには冷たすぎる。いくらこたつが温かいとはいえ、僕の口はもっとクリーミーなアイス、例えば『明治エッセルスーパーカップ』や『森永パルム』などを欲してしまうのだ。
正直に言おう。
冬のあいだ、私は一度も爽を買っていない。アイスコーナーで見かけても、
(う~ん……何だか爽は寒い感じがするなあ)
と思い、つい『グリコ ジャイアントコーン』を手に取ってしまっていたのだ。
……爽には悪いと思っていた。
冬であろうと爽は何も変わっていないのに、私は「こってりバニラ」、「分厚いチョコ」、「こんがりコーン」といった、爽には無い魅力を持ったジャイアントコーンに魅かれてしまったのだ。
いや、だって仕方ないじゃない?!
爽のことが好きだって気持ちは断じて嘘じゃない!
でも冬は……君のさっぱり感が俺には強すぎるんだ!
君が悪いんじゃない!
悪いのは俺だ……
爽は少し困った顔をして、儚げに笑った。
そして振り返り、俺のもとを去っていった。
一瞬、彼女の目に光るものが見えた気がしたが、
あれは微細氷だったのだろうか……それとも……
数年後。
俺はコラムを書いている。
夏になると思い出す、彼女について。
執筆にあたり、彼女……『爽』のことについて調べ直していた。
「発売からもう25年以上経ってるのか……えっ!」
ロッテ公式サイトにて、信じられない一文を見つけた。
そこにはこう書いてあった。
“夏限定で微細氷を大きくし、微細氷の比率も高めることで爽やかさと冷涼感をより感じられるようにしました。 ”
夏限定で微細氷を大きく?!
……つまり俺が食べていた爽は夏仕様で、冬は微細氷をより細かくすることで冷たさを軽減していた?!
それなのに俺はお前の努力を知ろうともせず、よりにもよって他メーカーのアイスを……
「くそっ!」
俺は家を飛び出した。
「なんでッ! なんであのときッ!」
言ってくれなかったんだ!……そう言いかけて頭を振った。
(違う! 見なかったんだ! 俺が、あいつを!)
(だって、あいつには書いてあったじゃないか!)
(「夏のくちどけ スッと爽快」って!!!)
気付けば俺はスーパーのアイスコーナーに立っていた。
「ごめんな……」
そこには見慣れたバニラに加え、練乳いちご、冷凍パイン、とろける濃厚完熟マンゴーの爽がいた。
「ホント、努力を惜しまないやつだよな、お前は」
俺は全てのフレーバーをかごに入れ、レジに向かった。
(今年は食べるよ。冬のお前も)
そう思いながらクーラーの効いた部屋でふたをめくる。
「……やっぱうめえや」
頭の奥で微細氷の弾ける音がする。
(完)
以上、爽はどの味もハズレ無しだと思っている北村がお送りしました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。