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HAKU 北村 コラム 71「Gの話」

普段は靴職人、北村です。

みなさーん!

「G」と言えば何ですかああ!!??

元気のG? それともご機嫌のG?

そうですね! 

「ゴキブリ」のGです!

我が家には夏からゴキブリが出没しております。

わたくし、常日頃より『るろうに剣心』の緋村剣心と同じく「不殺(ころさず)」を信念としておりますゆえ、ゴキブリが現れても殺すことなくそのままにしておいたんです。

するとどうでしょう。最初は申し訳なさそうに部屋の隅を移動していたゴキブリが堂々とリビングの中央を横切るようになり、私のパソコンデスクに飾ってある「ショルダー信長」の前を通るようになり、ついには私の足の上をカサカサと乗り越える始末。

信長ショルダーマスコットフィギュア
https://qualia-45.jp/distinations/nobunaga_smf/

あるときは左から出てきたゴキブリに驚き「わあっ!」と飛び退くと、今度は右後方から別のゴキブリが迫ってきて、サンバのようなステップで回避したこともあります。

最高で3匹同時に出ましたよ。もはや彼らとルームシェアでもしているかのような気持ちになっていたのです。

そもそも僕は以前から、

「ゴキブリって異常に嫌われすぎじゃない???」

と思っていました。

先入観なく見れば、ビジュアル的にはかっこいいほうだと思うんですよ。ほら、カミキリムシに似てませんか?

カミキリムシと言えば、小学生男子にとってカブトムシ、クワガタの次くらいに人気のある昆虫ですよ!

色だって僕は好きですよ。渋いブラウン!

虫って派手な色のほうが怖くないですか? その点ブラウンならカブトムシと同じですから! 光沢感もカブトムシによく似てる!

なのにこんなに嫌われてさあ!

「ゴキブリ」という名前を出すことさえ憚られ、あげくの果てには「G」と一字で呼ばれる始末!

かわいそうじゃないですかあああああ!!!!

そんなわけでゴキブリに同情している部分があるのです。

ただね! あるとき気付きましたよ……ええ、部屋のいたるところに小さい黒い粒が落ちていることに。

そう、ゴキブリのふんです。

みなさん! ルームシェアの相手が部屋にうんこ撒き散らしてたらどんな気分ですかあああ!!!

ムカつきませんかあああああ!!!!!

ここは! みんなで! 共同生活してる場所でしょうがあああああ!!!!!

いや、そもそも一人暮らしでも部屋にうんこ撒き散らかしたらダメだからねええええええ!!!!

僕は掃除しました。独りで。小さい小さいうんこをティッシュで拾い集めました。

(やはり人間とゴキブリは共存できないのか……)

そんな不信感を抱き始めた僕に、さらなる事件が起こったのです。

ある朝、目覚めた僕は朝食作りにキッチンに向かいました。

流し台には前日妻が使った「おぱんちゅうさぎ」のマグカップが置かれていました。

おぱんちゅうさぎマグカップ
www.amazon.co.jp/dp/B0C8J6RJJZ

これは僕がプレゼントしたもので、毎日使ってくれていました。

そこで……!!!

その中でぇ!!!!!

死んでたんですよおおお!!!!

ゴキブリがよおおおおおおお!!!!!

中には水が入ってて、『犬神家の一族』みたいに逆さまに浮いてたんですうううう!!!!

……死因はおそらく溺死。小さな赤ちゃんゴキブリでした。

僕はその死骸を速やかに処分し、事件現場となったマグカップはその後キッチンハイターで入念に消毒しました。

妻には言っていません……言わないほうが良いと思ったからです。

(殲滅……するしかないのか……)

そう思わせるには十分な出来事でした。

しかし事態はさらなる展開を迎えます。

「ゲジゲジがいた! 冷蔵庫の下に逃げた!」

翌日、妻が慌てて報告してきました。聞けば10cmくらいの、足の長いゲジゲジがキッチンに現れたそうです。

ゲジゲジ……ムカデ……これら多足類は僕がもっとも苦手な虫です。いや、苦手というよりも恐怖を感じると言ったほうが正しいでしょう。

僕はスマホを手に取り、Amazonで対ゲジゲジ用の殺虫剤をポチりました。同時にゴキブリ用も……

(殺るしかない……ゲジゲジも、ゴキブリも……)

殺虫剤が届きました。これを部屋に数回プッシュすれば、対象となる虫がもがき苦しみ、這い出てきて見える場所で死ぬという……Amazonレビュー1,700件以上、星4.3という信頼の商品です。虫側からしたら死神がやって来たようなものでしょう。

(これを使えばゴキブリも死ぬ……)

(あいつら、僕に気を許してたのかもな……)

(仲良くしてると思ってた相手に、突然毒を撒かれるわけか……)

そんな考えが頭をよぎります。

ふと部屋の隅に茶色い物体が見えました。

(ゴキブリかっ!???)

しかしそれは微動だにしません。

(……死んでる?)

予想通り、それはゴキブリの死骸でした。
ただ予想と違ったのは、その死骸……『金田一少年の事件簿』の怪事件のごとく、下半身が無かったのです!!!

(……食われた?! ゲジゲジにか???)

調べると、やはりゲジゲジはゴキブリを補食するとのこと。その日以降、ゴキブリを見ることが少なくなりました。突如現れた天敵を恐れて逃げ出したのか、はたまた食われてしまったのか。

……とはいえ、ゴキブリは完全にいなくなったわけではなく、今でもたまに顔を出します。

(懲りないやつらめ……)

そう思いながら、僕はまだ殺虫剤を使わないままでいるのです。

以上、結局ゲジゲジは一度も見なかった北村がお送りしました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。