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HAKU 北村 コラム 65「締切の話」

普段は靴職人、北村です。

……た、大変だーっ!

明日は4月最終日、コラムの締切日なのだ。

4月29日午前9時58分現在。
私はこのコラムを執筆中である。

コラムの更新作業はイトノワさんのウェブ管理をしている別の方が行なうため、その方に原稿データを送信しなければならない。

私は追い込まれないと作業できないタイプの人間なので、毎回「ギリギリになってすみません!」という文言とともに原稿を納品しているのである。

とは言え、さすがに最終日前日には納品しようと思ってはいるのだ。なぜなら前述したとおり、別の方が更新作業をしているからである。よって締切は本日中ということになる。

「おいおい、こんなゴミみたいな文章30分で書けるだろ!」

と、お思いの方もいらっしゃることだろう。

たしかにゴミみたいな内容ではあるが、驚くなかれ、毎回10時間くらい掛かっているのである。

「う、嘘だろ……こんなゴミに10時間だと?!」

戸惑いはごもっともである。

だが言い訳をさせて欲しい。
月1連載ではあるが今回でもう65回目、5年半ほど書いているのである。

さすがにネタに困っている。

テーマを決めるのに毎回頭を悩ませているのだ。
前回も執筆途中で「つまんないな、これ……」となり、別のテーマで書き直したくらいだ。

書いたあとのチェック作業にも時間が掛かる。
誤字脱字は無いか? 分かりにくい箇所は無いか? 読んだときのリズムはどうか?……などなど、気になって何度も読み返してしまう。

加えて、コラムタイトルとして掲載しているイラスト、これも私が制作している。テーマにあった写真素材を探し、それにイラストと文字を組み合わせて作る。これだけでも地味に時間が掛かるのである。

どうだろう、こんなゴミコラムに10時間も掛かる理由が分かっていただけただろうか?

……しかし勘の良い方ならここで疑問を持ったかもしれない。

4月は27(土)、28(日)、29(月/祝)と三連休だったではないか。休みとはいえ時間はたくさんあったのでは?……と。

言い訳をさせて欲しい。
まず土曜は妻が仕事なため、私は一人で娘(小3)の朝食、昼食を作り、後片付けをし、それからドラム式洗濯機の手入れをし、娘の宿題をチェックし、さらに玄関の掃除、庭木の剪定、夕食作り、1週間分の食料の買い出しなどをしたのである! これだけで1日掛かったのだ!

そして翌日曜の午前中は自治会の総会があり、自由時間は午後からのみであった。妻と娘には「仕事があるから」と言い、2人だけで出掛けてもらった。

さあ、ようやくコラムに取り掛かれる。
ブラウザを立ち上げ、インターネットに繋がったそのときである!

一体なぜだろう。私は「ドラム」について調べ出していた。

ドラム式洗濯機ではない。楽器のドラムだ。
ドンドコと叩くドラムが何だかとても楽しそうに思えてきたのである。

ちなみに私は全く楽器が弾けない。
過去のコラムでウクレレを購入したことを書いたが、ほとんど手つかずのまま放置している。

しかし依然として楽器に対する憧れは強く、昨年は20代に挫折したエレキギターを再び購入した。結果はもちろん2度目の挫折であった。

そんな苦い過去はあるのだが、ドラムは弦楽器と違い音階が無いし、いけるのでは!? そう思ってしまったのだ。

されど疑問はある。

第一にドラムセットって高そうだし、そもそも音がでかすぎて家では練習できないのではないか?

私は調べた。

どうやら生ドラムではなく「電子ドラム」であれば、ヘッドフォンを使えるため音を抑えられるようだ。そして値段もエントリーモデルなら5万円台からある。

(5万か……高いな……)

私は自分の飽きっぽさをよく知っている。いきなりの5万は無謀だと理解しているのだ。

私は調べた。YouTubeで動画を観まくった。

するとドラム練習はリズムパターンの習得が基礎で、それだけなら練習用パッド(ゴムが付いた板)とドラムスティックだけあれば良いらしい。

↓こんな感じの練習
https://www.youtube.com/watch?v=xtqGIPKGnQk

これなら5,000円~6,000円で始められるではないか! 興味が続けば電子ドラムを買えば良い。

私はとりあえずドラムの教則本を注文した。

教則本を検索しているときにROLLY氏(元すかんち)のギター教則本が目に留まった。昨年出版された新しいもののようだ。これがすこぶる評価が高い。

(これは……楽しそうだ……)

私は買った。

ドラム熱と同時に3度目のギター熱も復活してきたのだ。

春である。

5月生まれのせいだろか、私は春になると気持ちが高揚し、やる気がみなぎってくるのである。この高まった気持ちのまま、毎日少しずつでも練習をしよう! そう決意した日曜であった。

……そして冒頭のシーンへ戻る。
そう、コラムが1文字も進んでいないことに気付いた29日の朝である。

しかしどうだろう。気付けばいつのまにか文章が書けているではないか。すでに2,000文字を越えている。これだけあればコラム1回分としては十分な量だ。

三連休最終日の4月29日16時9分、このコラムは無事完成した。

ドラムとギターを練習することも決めた。

これが春のミラクルパワーなのである。

以上、逆に秋→冬は気持ちが落ち込む北村がお送りしました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。