
HAKU 北村 コラム 52「小学生時代の話」
普段は靴職人、北村です。
娘がこの春から小学二年生になりまぁす!
小学生になってからというもの、
「おとうさんが小学生のころはどうだった!?」
と訊かれることが増え、たびたび当時のことを話しております。
そんなわけで今回は「娘にウケた僕の小学生時代のエピソード」をランキング形式でお話ししたいと思います。
第5位「○○に落ちた友達」
子供会か何かのイベントだったのだろうか、小学校付近の広場で保護者同伴のピクニック(?)をした記憶がある。当時仲の良かったMくんも母親と一緒に参加していた。
僕とMくんは親から離れ、畑のような場所で遊んでいた。その時である。Mくんがぬかるみのような地面に足を取られた。すぐに足を引き抜いたMくんであったが、当然片足は泥だらけである。
……否、それは泥ではなかった。なぜそう思ったかというと、それがとてつもなく臭かったからである。
うんこであった。まごうことなきうんこの臭いだった。
【肥溜め(こえだめ)】
伝統的な農業設備の一種。農家その他で出た屎尿を貯蔵し、下肥(しもごえ)という堆肥にするための穴または、大きめの水瓶。
※ウィキペディアより引用
肥溜め、僕はこの存在を漫画(たぶん『Dr.スランプ』)で知っていた。しかし、それが身近に存在するとは思っていなかったのである。
(肥溜めって本当にあるんだ……)
そう思った。
その後、母親たちがパニックになったのはご想像の通りである。
第4位「運が悪い子」
昭和の小学生は危ない玩具で遊ぶのが大好きだった。当然僕もその一人である。ある時期「ロケット弾(ジャンプ弾)」というものが流行った。
7〜8cmくらいのロケット型のおもちゃの先端に、火薬がつまった紙をセットして投げる。すると落下したときに「バン!」と音が鳴る……ただそれだけのものである。
小学校のそばにみんなが「ミトマ」と呼んでいる駄菓子屋があって、僕らは足繫く通っていた。ロケット弾はここにあった。だがそれはお金で買えるものではなかったのである。どういうことかというと「くじで当てて」手に入れるしかなかったのだ。
お金を払い、くじを引く。くじを開くと数字が書かれており、対応した商品がもらえる。1〜4は大きいロケット弾、5〜15は小さいロケット弾、それ以降の数字は火薬だけ、とかそんな感じである。
僕は何度かこのくじを引いていたのだが、いずれもハズレ(火薬だけ)であった。ロケット弾本体が無いので、この火薬を石で叩いて爆発させるという、何とも悲しい遊びをしていた。
しかしこの日は違った! くじを引くと今までにないくらい小さい数字が出たのである! ミトマのおばちゃんも
「お! あんたこれ、ついに当たったんじゃなかね!?(博多弁)」
と興奮気味に景品の確認を始める。おばちゃんは僕がいつもハズレなことを知っていてくれたのだ。
「えーと、この数字は……あっ!」
「?」
「ハズレ……やね……」
「え?」
「当たりの一つ隣のハズレ……」
そう、ギリギリハズレだったのである。僕はショックだった。その表情を見て不憫に思ったのだろうか、おばちゃんは言った。
「あんたはホント運が悪かね〜。これあげるけん、持っていかんね!」
と言って、ロケット弾の本体をくれたのである。
僕はめちゃくちゃ喜んだ。家に帰って遊びまくった。
……ただ、「本当に運が悪い」と言われたことについては、今でもずっと心に引っかかってる。
第3位「謎のおいしいお菓子」
前述の駄菓子屋「ミトマ」で謎のお菓子に出会った。大きな箱の中に、つまようじが刺さった粉まみれのお菓子がたくさん入っている、といったものだ。
お金を払い、箱から一つ取って食べる。
「……うまい!」
これは一体何でできているのだろう!?
小学生の僕には全く分からなかった。見た目は地味なのに、食べるとめちゃくちゃ美味しい。このギャップにやられたのである。
食べ終わったあと、つまようじの先が赤ければ当たりでもう一個もらえるという「くじ要素」も嬉しかった。
しばらくしてから、それが『きなこ棒』というものであることを知る。
今でも大好きなお菓子の一つである。
第2位「さとうきび」
小学校のグラウンドの隅に石造りの台のようなものがあった。台といっても階段がついており、高さは1.5mほどあったように記憶している。おそらく国旗などを掲揚するためのものだったのではないかと思う。
ある日、その台の上に20〜30cm程度の小さなダンボール箱があった。開けてみると、中には緑色の竹のようなものがびっしりと詰まっていた。
一緒にいた友達が
「これ、さとうきび!」
と言った。
さとうきびというものを知らなかった僕には何のことだか分らなかったのだが、友達はすぐさまそれを取り出し、表面を少し剥いたあと歯で噛み始めたのだ。
「甘めぇ!」
友達に勧められるまま、僕もそれをシガシガと噛んでみた。
「さ、砂糖の味がする〜!」
こうして僕は初めてさとうきびというものを体験したのである。
なお、そのさとうきびがなぜ箱詰めにされて、グラウンドに放置されていたかについては一切分からないままである。
第1位「公園の砂場で」
小学校から帰る途中に公園があり、僕らはよくそこで遊んでいた。公園には砂場があった。
近年ではめったに見ることもなくなったが、当時は野良犬がどこにでもいた。通学路には当たり前のように犬のフンが落ちていたものである。
なので、公園の砂場に犬のフンがあっても僕らは気にしない。その日も
「うんこだ〜!!」
とはしゃぎ、砂をかけて埋めて遊んでいた。
砂遊びに飽き、その場を離れると、遠巻きに僕らを見ていた高学年のやつらが砂場に入っていくのが見えた。どうやら僕らが犬のフンを埋めた場所を掘り返しているようだ。
(もしかしてあいつら、僕たちが何か宝物でも埋めたと勘違いしてるんじゃないか!?)
そう思った僕は少し離れた場所からそいつらを見続けていた。掘り起こされたものは当然犬のフンであり、
「うわぁ〜! うんこだーっ!」
という、これまた当然の感想を叫んでいた。
馬鹿だなあと思ったのを覚えている。
以上、小学生時代ってホント良いですよね、と思う北村がお送りしました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。