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HAKU 北村 コラム 26「病の話」

普段は靴職人、北村です。

みなさーん! 元気ですかーっ!

いやー、病気とか怪我って嫌ですよね?
ブッダも人生における根本的な苦しみを「生・老・病・死」の4つに分類しております。昔々から人類共通の悩みなわけです。

僕は今43歳なんですけどね、今までにまあまあ怪我したり病気したりして生きてきました。そんなわけでね、今回は僕の病気&怪我の歴史について書き綴りたいと思います。

~北村の病気&怪我ヒストリー~

【幼稚園】

・転んでひざを怪我する

一番古い怪我の記憶。傷口の肉がなんだか白くて「骨が見えてる!」と思った(当然そんなわけない)。

とはいえ小学生の頃まで傷跡が残ってたので、そこそこ派手に擦りむいたのではないかと思ってる。

・ハチに刺される

祖父と散歩中、首の後ろあたりに激痛が走り大泣きした。慌てた祖父が近くの病院に駆け込み治療を要求した。しかしその病院は産婦人科であった。医者も困っただろうなと思う。祖父が大声で「それでも何とかしてくれ!」的なことを言ってゴリ押ししていた記憶がある。

【小学校】

・ストーブでやけど

当時、我が家ではファンヒーターではなく、天板が熱くなるストーブを使用していた。
うっかりそれに触って、やけどをするのは日常茶飯事だった。やけどをすると母が外に置いてある鉢植えのアロエを切って開き、それを患部に当ててくれた。いわゆる民間療法だが、当時も「これ効果あるのか……?」と懐疑的だったし、ヌルヌルするので嫌いだった。自分にとってアロエはこのイメージしか無かったので、スイーツとして食されるようになったときには非常に困惑した。

・視力低下

病気というわけでは無いが小学2年生から視力が低下し始めた。眼科に通ったが回復する気配が無く「このまま目が見えなくなったらどうしよう……」と考えると不安だった。

その後も視力は下がり続け、現在では視力検査表の一番でかい文字も至近距離まで行かないと見えない。コンタクトを使っていたこともあるが、面倒になったので今は眼鏡を掛けている。度が強いので、目が小さく見えてしまうのが難点だ。

僕を知ってる人たちに言いたい。本当の僕はもっと大きな目をしているのだよ、と。

・盲腸

小学3年生のとき、テレビで「盲腸」という病気を知った。父親に訊くと、治すには手術でお腹を開いて悪い箇所を切除しなければならないと言う。怖いなあ、なりたくないなあ……と思っていたらすぐになってしまった。

ある休日の朝、お腹が痛くて病院に連れて行かれた。医者には「食べ過ぎたんでしょう」と言われ、そのまま買い物に連れ回された(自分は車の中でずっと横になっていた)。

夜、眠っていると猛烈な痛みで飛び起きた。慌てた親が別の病院に連れて行くと「急性虫垂炎(盲腸)」と診断された。

入院前は手術というものがとても怖かったが、痛みのあまり「早く手術してくれ!」と思ってしまった。子供ながらに、人間は痛みがすごすぎると恐怖を乗り越えられるんだなと悟った。

【中学校】

・海辺の岩で足裏を切る

当時通っていた学習塾の夏合宿で、海近くの宿に行った。休憩時間には皆で海に行ったのだが、砂浜ではなく岩がゴツゴツした場所だったため、すべって足裏をスパッと切ってしまった。旅先でする怪我は最悪中の最悪である。

・直腸の粘膜が溶ける

中学3年生の頃、うんこが透明な粘膜に包まれて排泄されるようになった。病院で診てもらうと直腸の粘膜が溶けて一緒に出てきているらしい。おそらく高校受験を控えたストレスであろう、と。

痛みは無かったが、一応検査をすることになった。検査前には腸の中のものを全部出してくださいね、と500mlほどの下剤(液体)を2本も渡された。「サイダーみたいな味ですよ」と医者は言っていたが、量が多いうえにむちゃくちゃ不味くて飲み干すのが地獄だった。

頑張って飲んだのに便は出ず、結局浣腸をされた。注入されると2秒で出そうになったのだが「すぐに出すと薬だけ出ちゃうから少し待って」とトイレに行くのを制された。

だが思い出して欲しい。僕はそもそも500mlの下剤2本を前もって飲んでいるのである。単発の浣腸とはわけが違う。

絶対的やばさを感じ「もう出ちゃいますぅ!」とトイレに駆け込んだ。便器(和式)にまたがって立ち、検査着のズボンを下ろそうと思ったその刹那、僕のおしりのダムは決壊し、とどめられていたうんこが全て放出されたのであった……

のちに伝えられる「忍法立ちうんこの術」の誕生である。

【専門学校】

・親知らず抜歯

歯医者に行くと親知らずを抜いた方が良いと言われた。下の親知らずが2本とも横向きに生えているため前の歯を押してしまっているらしい。仕方がないので生まれて初めての抜歯を決意する。

「抜歯? 痛くないし、すぐ抜けたよ!」という人も多いが、僕の横向きに生えた親知らずはそのままでは抜けず、まず2つに割って抜くという方法がとられた。

ドリル的器具で歯を分割するのだが、これが死ぬほど痛かった。麻酔は当然しているのだが、歯を割ったドリルがさらに奥に進むときに歯茎をえぐるような激痛がするのである。

日をあらためて2本目を抜くのだが、本気で憂鬱だったのは言うまでもない。

・尿路結石

ある日猛烈な腹痛に襲われた。単にお腹を下したのであれば、姿勢を丸くしたり、お腹を温めたりすれば多少は痛みが軽減するものである。だが、このときは何をしても変化が無かった。逃れられない痛みだったのである。

病院に行くと「尿路結石」だと告げられる。尿が通る道のどこかに石ができる病気である。尿路結石の痛みは有名なのでご存知の方も多いだろう。実際僕も治療中、痛さのあまり看護師のおばちゃんに「す、すみません……て、手を握っていてくださいぃぃ!」と泣きついてしまったほどである。

点滴を打ち、痛みは一旦治まった。この病気は一体どうすれば治るのか……。不安に飲み込まれそうな僕に医者が告げた治療方法は意外なものであった。

「水をたくさん飲んで自然に石が排泄されるのを待つ」

え? こんなに痛かったのに手術とか薬とか無いの??? と困惑したが、数日後おしっこと一緒に小さなかたまりがぴゅるっと出て来た。この小さな粒であんなにも悶絶することになるなんて……神様、人間の設計ミスってない? と思った。

【20代】

・謎の胸の痛み

謎の胸の痛みを発症した。「これは絶対内臓の疾患だ……心臓病とかだったらどうしよう」と不安になったが、病院に行ったら湿布薬を処方された。なんか胸の筋肉痛だったらしい。

・足首を捻挫する

当時はパソコンを使う仕事をしており、長時間椅子に座ったままだった。ふと立ち上がったときに足がしびれているのに気付かず、盛大に足首を捻挫した。痛みはそれほどでも無かったが大きく腫れあがり、治るまでにかなりの月日を要した。

・カッターで指を切る

仕事でカッターを使っているときに、定規から刃が外れ、左手の親指をざっくり切ってしまった。病院に行くと数針縫われた。麻酔無しで縫われるのは結構痛かった。治療中、看護師さんが「もう一人手を切った人が……」と言うので見たら同僚だった。同じ日に2人がカッターで手を切るというミラクルが起こった日だった。

・ち○こに謎のしこり

ち○こに謎のしこりを見つけ、不安になったので近所の泌尿器科へ行った。診てくれたのは年を取ったおっさんの医者だった。

あからさまに風俗の利用を疑われたので「いや、そういうとこには行ってないんですけど……」と答えた。ズボンを下ろし、ち○こを見せながら「ここにしこりが……」と伝えると、おっさんはカルテにち○この絵を描いてその位置をマークしていた。

「じきに消えると思うんで、様子を見て」と言われ、その日は帰った。おっさんの言う通り、しばらくするとしこりは消えた。

あの日以来病院には行っていないが、今も僕のち○この絵が記されたカルテが眠っていると思うと、何とも言えない気持ちになる。

【30代】

・オニオンリングでやけど

オニオンリングを作っていたら、玉ねぎを勢いよく鍋に落下させてしまい、はねた大量の油が左脚のすね、ふくらはぎにかかってしまった。めちゃめちゃ広範囲にでかい水ぶくれができたのだが、翌日から展示会のため静岡に行かねばならず、ピリピリした痛みを感じながら仕事をするはめになった。やけどの痕が消えるまで数年掛かった。

・足首を捻挫する(2回目)

福岡の弟の家に遊びに行ったときのこと。姪っ子(当時2歳)と公園で遊んでいた際、しゃがんだ拍子に盛大に足首を捻挫した。めちゃめちゃ腫れた。何度も言うが、旅先でする怪我は最悪中の最悪である。

・椎間板ヘルニア

靴職人となり、自分のブランドを始めてしばらく経った頃、「椎間板ヘルニア」で動けなくなってしまった。

当時、僕も妻も車を運転出来なかったため、毎回友人に車を出してもらい、病院まで搬送してもらっていた。

手術をすることになり、医者が詳しく説明をしようとしたのだが、立ち会っていたのが友人(男)だったので「どういうご関係ですか……?」と若干不思議がられた。

手術は決まったものの、検査に時間を要するため、1ヶ月ほどはずっと家の布団の上から動けない生活だった。トイレにも長く座れないので、妻が大人用紙おむつを買って備えていた(これはなんとか使わずに済んだ)

手術は無事成功。すぐに立ち上がれるようになった。西洋医学万歳である(当初整体などにも通っていたが全く効果が無かった)。

治療中、「リリカ」という神経に作用する痛み止めの薬を飲んでいた。すごく良く効くのだが、自分の場合は2つの副作用が出た。

1つ目はED(勃起不全)になったこと。病院に連絡するとすぐに服用を止めてくださいと言われた。飲むのを止めるとしだいに回復した。

2つ目はどうしようもない不安感に襲われたこと。ある日の夕方、急にパニックになってしまい、ちょうど仕事から帰って来た妻のひざの上で理由も無く大泣きしてしまった。これは1回だけで、その後は不安感に襲われたことはない。

【40代】

・足の小指を骨折

椅子に足の小指をぶつける。紫色になって大きく腫れたので病院に行ったらひびが入っていた。生まれて初めての骨折だった。

・尿路結石(2回目)

朝、急にお腹が痛くなる。動けなくなったので妻の実家に連絡して、病院に連れて行ってもらう。結果、20年ぶりの尿路結石だった。「またおめえか!」と思った。

・スズメバチに刺される

町内会の神社清掃に参加していたら、急に右ひじに激痛が走った。見るとスズメバチが飛んでいる。すぐに病院に行ったが、軟膏を塗られただけだった。その日は一日中ひじを針でグリグリ刺されているような痛みがあった。

・足首を捻挫する(3回目)

昨年11月末、娘(4歳)と公園で遊んでいるとき、たった2段の階段を下りようとして足首を盛大に捻挫した。またしても腫れた。まだ完治していない。

・あかぎれがひどい

年を取ったせいか、それとも丹波が寒いせいか、冬になるとあかぎれがひどくなった。作業していると指の関節部分が割れて血が出てくる。革を扱う仕事なので、知らない間に出血していると非常に焦る。商品に付着すると作り直しである。

どおですかあ!

けっこうやってるでしょう!?

年を取ると病気の話が多くなるって言いますけどね、こんなにネタがあったらそりゃ話したくもなりますよ!

以上、健康診断の申し込みをまだしていない北村がお送りしました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。