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HAKU 北村 コラム 13「2の話」

普段は靴職人、北村です。

「とりあえず1年」ってことで始めたこの月1コラムですが、先月でちょうど12回目だったんですよ。

いやあ書いたなあ! 毎月毎月地味に大変だったぞ! これで解放や!

なーんて思いましてねー! んで、イトノワ店主の渋谷さんに

「1年分終わりましたあ!」

って報告したら、

「せやな。で?」

……って感じでまだ続くみたいなので今年もどうぞよろしくお願いいたします(エンドレスなのかな?)

今回は「2」の話しますよ。2のはなし! いま1月ですけど!

みなさん、好きな数字ってあります? 僕はね、「2」なんですよ!
なんで「2」が好きなのか? その謎を解くべく幼少期の記憶を辿ってみると、おそらくこれが原点だと思うんですよ。

『太陽戦隊サンバルカン』!!!

「スーパー戦隊シリーズ」ってあるじゃないですか? 1975年放送開始の特撮テレビドラマですよ。毎年新しい戦隊ヒーローが登場し、現在は43作目となる『騎士竜戦隊リュウソウジャー』が放送中です。

で、僕が初めて観たスーパー戦隊が前述の『太陽戦隊サンバルカン』だったんですねー!(1981年)

戦隊チームのメンバーは「バルイーグル(赤)」「バルシャーク(青)」「バルパンサー(黄)」の3人。

これ観てたの4歳くらいなんですけど、記憶に残ってるストーリーが1つだけあるんですよ。

それは「リーダーのバルイーグルが途中で別の人に交代する」ってことなんです。2代目バルイーグルになっちゃうんですねー!

※ネットで詳しく調べてみたところ、初代バルイーグルはスペースシャトル操縦士としてNASAに召集されたという設定で交代したようです。

いやあ、子供ながらにこの展開は衝撃的でしたよ。だって主役が変わっちゃうんですよ?

このとき僕の心に「2代目」という概念が植え付けられました。

加えて当時ハマっていたのが『マジンガーZ(再放送)』。永井豪原作のロボットアニメです。

これね、主人公が操縦するマジンガーZが、最終回で敵にボッコボコにやられるんですよ。するとそこへ見たこともないロボットがやってきて一瞬で敵を殲滅、マジンガーZを救うんです。

そうです、この謎のロボットは次回より始まる続編『グレートマジンガー』の主役ロボットだったのです!

幼き日の僕はここでも「2代目」の活躍を目撃することとなりました。

「2」を意識し始めた僕は『秘密戦隊ゴレンジャー(再放送)』を観ても、リーダーであるアカレンジャーよりも2番手のアオレンジャーに興味を持ち、『ルパン三世』でもルパンではなく、サポート役の次元大介のほうに魅力を感じたのです。

漫画とかゲームでも2代目のキャラクターが結構いましたよ。
『ジョジョの奇妙な冒険』第2部の主人公は、第1部主人公の孫であり祖父の才能を受け継いだキャラクターですし、『ドラゴンボール』では孫悟飯が、父親であり主人公である悟空を凌ぐ強さを身につけました。『ドラゴンクエスト2』の主人公は、1の主人公であるロトの勇者の子孫となっております!

つまり僕にとって「2」には “継承” や “世代交代”、 “陰の立役者” といったイメージがあり、そこにある種のドラマを感じるのです。

さて、ここまで話したところで、みなさんに「フジファブリック」というバンドをご紹介したいと思います(急に)

知ってる人は知っている、知らない人は知らないでしょう。一番有名な曲は、たぶん『若者のすべて』ですかねー。

フジファブリック (Fujifabric) - 若者のすべて(Wakamono No Subete)
https://youtu.be/IPBXepn5jTA

2004年メジャーデビューのこのバンドですが、2009年12月にボーカルでありフロントマンであった志村正彦氏が死去しております(享年29歳)

僕は20代の頃に1stアルバムを聴いたんですけどね、当時はあまりしっくり来なかったんですよ。

最初に心に引っ掛かったのは2007年リリースの『Surfer King』って曲のMVを観たときです。

フジファブリック (Fujifabric) - Surfer King
https://youtu.be/ZwB47dU98wY

「このバカさ……かっこいい!」と思って、他の曲も遡って聴いてみたりしてたんです。とはいえあまり熱心ってわけでもなかったんですよね。

んで、2009年に志村氏の訃報を聞くわけですけど、このとき自分でも驚くくらいとても寂しい気持ちになったんです。

「ああ、この人の新しい曲はもう聴けないんだな……」

と思って。自分では特にファンのつもりは無かったんですけどね。不思議なものです。

志村氏が亡くなった7ヶ月後、デモ音源を使ってリリースされた『夜明けのBEAT』が彼の最後の歌声となりました。
※MVは志村氏死去後のものなので、俳優の森山未來氏+残りのメンバーでの撮影となっております。

フジファブリック 『夜明けのBEAT』
https://youtu.be/3cupbrwhNp0

ボーカルがいなくなったあとのバンドは、解散、活動休止、新ボーカルやサポートボーカルを加える、残りのメンバーで継続するなど様々ですが、フジファブリックが選んだ道は「残りのメンバーで継続する」だったんです。リードギターだった山内総一郎氏がボーカルを務めることとなりました。

「マジか……めっちゃしんどいぞ、これは……」

活動再開を知ったときはそう思いましたよ。

まず、ただでさえ2代目って初代と比べられるじゃないですか?! それに加え、故・志村正彦氏という人間は、熱心なファンじゃなかった僕から見ても稀有な存在に思えていました。独特なメロディ作りに予測不能な言語センス、脱力しているようで訴えてくる歌声、飄々とした風貌……。ありふれた言葉で言ってしまえば「めちゃくちゃアーティストっぽい」んですよね。

そのポジションに、本来は立つはずじゃなかった人間が予告無く立たされるわけです。望んでいなかった場所ですよ。僕だったら全力で逃げ出しますよ、こんなの。

そして2012年、注目すべき新生フジファブリックの曲が発表されました。

フジファブリック 『徒然モノクローム (short version)』
https://youtu.be/lozJUpUvDCM

当たり前の話なんですけど、作る人、歌う人が変わったら、それはもう別のバンドの曲なんですよね。いや、確かに深いところでは共通した項目もあると思いますよ。けれど本来は似ている必要さえ無いはずなんです。

正直なことを言ってしまえば、山内氏率いる現在のフジファブリックの曲は僕にはあまり引っ掛かっていないんです。

でもね、それでも僕は新曲が発表されるとついつい聴いてしまうんです。これはなぜだろうと考えたんですけど、おそらく僕が2代目である山内総一郎氏そのものに興味を持っているからだと思うんですよ。

初代フジファブリックは2004年~2009年、新生フジファブリックは2010年~現在。活動期間で言えば、すでに今の編成のほうが長いんですよね。

※バンド結成は2000年なのですが、ここではメジャーデビュー時の編成を初代としています。

それゆえに、YouTubeのコメントなんかを見ているといろんな関わりかたが見られます。今も故・志村氏のことを語る人、どちらの曲も好きだと言う人。新曲でフジファブリックを知り、そこから志村氏の曲にも出会う人……

それらすべてを繋いでいるのは、新ボーカルとして立つことを選んだ山内氏の存在だと思うんですよ。僕はこの人に、自分が小さい頃から見て学んできた「2代目(2番手)の美学」のようなものを感じています。

だから、今後もこの人の活動を気にしてしまうだろうなあと思います。

「2にはドラマがある」

以上、本当はフジファブリックの話をしたかっただけの北村がお送りしました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。